クレプトマニア(窃盗症)。
摂食障害によく見られる合併症。摂食障害の方の約4割がこのクレプトマニアを持っているとされている。
最近だと、元マラソン選手がニュースになってたね。
症状は分かりやすく、要は、万引き依存症。
間違いなく犯罪である窃盗。だけどそれは精神疾患。
クレプトマニア(窃盗症)とは
クレプトマニアとは、以下の通りです。
クレプトマニアは「窃盗症」や「病的窃盗」とも呼ばれる精神疾患のひとつです。通常の窃盗行為は「○○が欲しいけどお金がないから盗んで手に入れよう」というように、行為者が利益獲得を目的として盗みを行うものです。
これに対して、クレプトマニアは、十分な資産を有しているのに数百円の物の窃盗を繰り返したり、窃盗する物自体には大して関心を持たないことも多くあります。 窃盗後は、盗んだ物を放置したり、一度も使わずに捨ててしまうこともしばしばあります。
引用元:クレプトマニア(盗症、盗癖)とは | クレプトマニア医学研究所
モノを得るために行う、窃盗。それがモノ目的でなく、窃盗という行動そのものに依存してしまうのが、窃盗症。
当然、「悪いことをやっている」という自覚はあります。だけど、やめられない。
病気??甘えんな。犯罪だろ。
きもい。理解できない。
やめれないって何?
犯罪者。
そう、万引きは許されない。犯罪だ。
なのに、なぜ、盗まなくちゃいけないのか。
一瞬の高揚感と満足感への依存
理解ができないかもしれないけど、摂食障害やクレプトマニアにも、一瞬の「幸福」が訪れます。
摂食障害は、大量のモノを吐いた後の一瞬。
クレプトマニアは、モノを盗んだ後の一瞬。
そこに怪奇的な高揚感が生まれます。満たされない何か、報われない何か、そのどうしようも出来ない苦しさを、埋めるように。脳がその高揚感を覚えてしまう。
だけど、もちろん幸福はその一瞬だけ。
その後には絶望に近い自己嫌悪に陥る。
でも、自分の意思で辞めることが出来ない。
理解されないことは痛いほど分かっている。
でも、そんな不可解なことが、実際に起きているのだ。
わたしがやったんじゃない
摂食障害やクレプトマニアに限らず、色んな依存症等の嗜好性障害の方は「自分の中に二人の自分がいる」とよく話をする。
それは、大脳辺縁系というところと深く関係しているから。ここは、本能に近く理性でコントロールできない場所。
普段から狂っているわけじゃない。理性的で真面目で常識的な自分がいるのに、強い衝動に簡単に自分が破壊されてしまうのだ。
自分で、自分が、一番恐ろしい。自分が、自分の中の自分に、破壊されていく。「もう二度とやらない」と誓ったのに。
クレプトマニアは犯罪か
色々と書きましたが、
クレプトマニアの行動は、
許されないことをしている。
その事実は変わらない。
犯罪だ。
だけど、本人がコントロールができないくらいの症状が出ている。そう思うと、犯罪だとも言えない。それくらい苦しいことを抱えているのだから。「こんな病気もあるんだな。」って頭の片隅に置いてくれるだけでいい。
「犯罪」の一言で片付けられない人もいることを
この記事で、知ってもらえると嬉しいね。
世の中にはそんな人もいるんだと。
竹口 和香