ことばを吐く

摂食障害の知識と心の言語化を届けたい

【拒食】体重計から始まり体重計に終わる日常

 

わたしは拒食(というかダイエット依存に近いかな)を1年で脱したので、命に関わる低体重になった事はなかったんだけど、それでも、今思い返すと異常という言葉でしか表現のできない日々を過ごしてた。

 

一方で、当時のわたしには摂食障害に足を突っ込んでいる自覚はなくて、ただただ高揚感にあふれる日常だった。

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(二度となり得ない足の細さ)

 

自分の体重をコントロールできているという快感。痩せていくごとに自分の価値が上がっていく高揚感。羨望の眼差しを向けられ、街では声を掛けられ・・わたしは痩せて美しくなることで人に愛されると確信をしていました。 

 

拒食なわたしの輝かしい日常

朝、今日も空腹で目が覚める。いつも目が覚めると身体が軽い状態が心地がいい。今日は下剤を飲んでないけど、下剤を飲んでた日はもっと気持ちがいい。吐き気がするほどの痛みと、ねじられるように体から老廃物が出ていった感覚。

 

さあ、今日も体重計から始まり体重計で終わる一日が始まる。

 

今日はナニを摂取しよう。

今日は体育の授業があるから消費カロリーは、●kcal×60分でだいたいこれくらい。学校の往復は徒歩20分だから●kcalくらい・・だったらこれくらい摂ってもマイナス●kcal。よし、それでいこう。

 

朝起きた瞬間からカロリー計算。寝るまでカロリー計算。わたしを作るのはこのカロリー計算で得られる美貌。承認。

  

お母さんが朝ごはんにハッシュドポテトと小さなパンを出してくれていた。お母さん、いつもありがとう。目の前に食べ物を置かれるとわたしの脳内でカロリーが自動計算される。

 

ハッシュドポテトをティッシュでくるんで、ぎゅっと抑える。ティッシュに油が染みて、カロリーがティッシュに染み込む。同じ食べものを食べるのなら、より摂取カロリーを抑えた方がおいしいね。

 

学校までは大股で早歩き。いつも歩くの早いね、なんて言われるけど同じ距離を移動するなら筋肉ちゃんと動かしてカロリー消費したいでしょ?

 

学校の木の椅子はいつもお尻が痛む。座布団を敷かなきゃお尻の骨が椅子に当たって座ってられないなぁ。みんなには「華奢だね」「そんな悩みほしい!」なんて言われる。あぁ、気持ちがいいなぁ。わたしはみんなに認められるにふさわしい存在なんだな。。。

  

授業間の休み時間。「痩せたい~~」と口にしながら輪になってチョコやスナックを頬張るクラスメイト。理解ができない。なんて意思が弱いんだろう。疑問と同時に優越感を抱く。みんなの手にお菓子があるのを横に足のマッサージを行うわたし。わたしだけがもっと綺麗になれるように、もっと食べて。食べて。食べて。

 

それにしもみんな、彼氏が~好きな人が~って。なんか分かんないけど幸せそうだな。よく理解できないけど、うん、まあいいや。

  

家に帰ってから足りなくなった体力を補給するようにソファへ倒れ込む。いつも午後から体力が急降下して、手足が重くなるんだよなぁ。 

 

お母さんはわたしより小食・・・だとわたしは思っている。わたしより小食だなんて、わたしより自己管理能力があるんだな・・・ってことは、わたしはもっと頑張れるんだな。お母さん、もっと食べてよ。もっと食べて。食べて。

 

夜ごはんは副菜で済ませて、半身浴を3時間と、有酸素運動。お風呂からあがってマッサージと腹筋と背筋と腕立て伏せ。

 

はぁ、わたしはちゃんと自分を管理できていてなんて健康的だ。ちゃんと食べてるし運動もして、偉いな。

 

昨日より少しでも体重が軽いわたしが好き。明日も、これからも、どんどん。どんどん。

 

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体重が減る事はわたしの価値が高まること

ふと雑誌を開いて自分よりBMI値が低いモデルさんが目に入る。あぁ、可愛いな。細いな。紙面の笑顔がわたしの心に刺さる。だからわたしよりこんな華やかに生きて愛されているんだな~。わたしももっと完璧になって、もっと人から愛されて、そしたらきっと人生変わるんだ!!

 

また明日も、明後日も、その先も・・・・

 

次の日、体重が0.1kg増。

・・・????????

 

何度も何度も何度も何度も体重計に乗りなおした。何でだ?寝る前の水?運動量が足りない?髪が伸びた???なんで?なんで??わたし何かした???!!!!

体重が・・・増えていた・・・わたしは怠ってしまった。だめだ・・・わたしの価値は昨日より、低くなってしまった。

 

鏡に写る自分が醜くて、身体を強くつねる。自分が視界に入る事が怖くて部屋に閉じこもってカーテンをジャッと閉める。この肋骨が、肩幅が、骨さえ削りたい。いらない。もういらない。

 

なんでわたしは自分のことすら管理できないのかと全身鏡を抱えて壁に殴りつけた。鈍い音と共に鏡と私が倒れ込む。もういやだ。なんで・・・・

 

怖くて、怖くて、自分が嫌いで、嫌いで、、涙を流しながら枕を抱えて叫んだ。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!! 

 

 

 

 

こんな時でさえ、涙の分体重が減ったかと期待するわたしがいた。

 

 

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竹口 和香