「もっと頑張るだけ」と微笑む自傷ロボット

 

生活や自分の心を壊してでも、幻想を追いかけなきゃ生きられなくて。

 

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「できる子はえらい」を疑わなくなったのはいつからだろうか。

「足りないのは努力だ」と心の声を聞かなくなったのはいつからだろうか。

「涙は流さず笑え」と自分の口角が下がらなくなったのはいつからだろうか。

 

わたしがわたしから離れて、心のない自傷ロボットになったのはいつからだろうか。

 

今のわたしはわたしじゃない

 

できないのは自分の努力不足で、もっと努力すれば必ず思いは叶う。

あの子に負けているんじゃなくて、わたしはまだ本気を出していないだけ。

キラキラしていない今のわたしは、本当のわたしじゃないだけ。

 

妄想を飛び越えた幻想が止まらなくて、幻想こそわたしの本当の姿だと信じていたくて、そんな幻想を抱いていないと生きていけなかった。

今の不完全な自分を認めてしまったら、こんな何者でもない自分が自分だと認めてしまったら、わたしは自分をこの世から排除してしまいたくなってしまうのだ。

 

今のわたしはわたしじゃない。何者かにならなければいけないわたしは、今日も変わることに必死で、足元はおろか今日という現実を認識することすらできない。

 

「明日から変わる」を365日誓って、「今日もこんなはずじゃなかった」を365日繰り返す。いい加減、今日の続きが明日であることを、明日は今日の続きであることを認めたらいいのに。

 

そんなことが頭によぎろうとも、明日から変われる魔法を探しては明日から努力できる自分を信じていた。

 

幻想のために死ぬ今日のわたし

 

必ず現実になると願う幻想を追いかけて、今日を生きるわたしは簡単に殺される。

 

眠れない、食べられない、外に出られない、人と目が合わせられない、そんなことどうだってよかった。頑張って、もっとすり減らして、もっと走り抜いて、自分の価値があがったら生活なんて回るはずだ。

 

なんかやだ、なんか不安、なんか悲しい、なんか苦しい、そんなこと聞いている余裕なんてなかった。聞かないことに慣れたら聞こえなくなった。笑って、もっと”ちゃんと”して、もっと”しっかり”して、自分の価値があがったら心も喜ぶはずだ。

 

変わればいい。わたしが変わったら全てが変わる。うまくいくんだ。

 

そうしているうちに、わたしが誰だかわからなくなった。すきも、きらいも、季節も、体温も、わからなくなった。

 

でも、とにかく自分の幻想だけは信じなきゃ今日という1日すら生きられなかった。

 

 

「変わる」という自己否定

 

「変わりたい」という言葉は一見聞こえがいい。

だけど、わたしはこの言葉を心地よく着ることができない。今日のわたしが心地よくないと拒絶してしまうのだ。

 

「変わりたい」の前提には「今のままではだめ」が存在していて、わたしが肯定されずに愛に飢えていることを証明するような言葉だ。

 

どうして人はそんなに変わろうとするのか。

「◎◎を叶える◎つの方法」「◎日間で◎◎が叶う方法」という魔法の言葉に簡単に踊らされて、今日も今日の自分を否定していることに気がつかない。

 

自分の幸せが何かもわからないのに、必死にその幸せとやらをつかもうと、羽もない二本足で空中を走っている。

 

今日もこれだけ頑張ったのに、苦しくても悔しくても頑張って生きていたのに、希望であるはずの幻想は簡単に今日のわたしを殺すのだ。

 

「今日も本当のわたしじゃないから」と、今日を生きたことすら否定して、大切に大切に幻想を抱きしめている。

 

 

ねぇ、あなたの心はなんて叫んでる?何を守りたい?

 

 

竹口 和香

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