心が壊れたわたしへの手紙。

 

「普通に生きたい」と泣き叫んだわたしへ

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ふとあなたに手紙を書いてみることにしました。

これと言って伝えなきゃならないことはないけど、あの日人生から逃げようとしたわたしがこれを読んだらどう思うだろう、なんて出来心を抱きながら言葉を綴ります。

 

あなたは今、毎日、毎時間、自分の心と体が思うように動かず、知らないうちに頬が濡れる日々の中にいます。そこから逃れないという失望と、この日常が早く変われという切望と、それでも変わらず明日が来る絶望と共に生きています。

 

あなたが書いた日記を読みました。

「普通に起きて普通に眠りにつく生活がほしい」

「さっきまで笑えてたのに急に涙がでるのは何で」

「自分のことが自分でわからなくなってきた」

 

好きだったはずのものが見えなくなって、気にも止めてなかったものが宝物のように感じるようになりました。お酒も、タトゥーも、アクセサリーも、埋まらない穴を誤魔化すように増えていって、そしてまた、傷ついて泣いていました。

 

「わたしは狂っている」と、自分のことが信じられなくて、誰かの承認を激しく求めていましたね。誰かのハンコがないと、自分に許可を出せなくなっていました。自分の気持ちに疑いをかけていたのも、それほどに自分のことを信じられなくなっていたからなのだと思います。

 

少し、逃げ遅れてしまったのかもしれません。そしたら、どんどん逃げるレベルがあがっちゃって、逃げる方法も逃げる方向もわかんなくなっちゃいました。そんなことを続けていたら、何から逃げたらいいかすら分からなくなって、そうしてあなたは壊れました。今のわたしから見たあなたは、そういう感じです。

 

「まだ頑張れる」はあなたに変わらない明日を送る魔法の言葉でした。その言葉は、あなたを大丈夫にさせます。今日想像する明日をこなせるようになります。ただ、その "大丈夫" の代償には、”麻痺" がありました。そして、その麻痺が限界を迎えたとき、あなたは静かに壊れたのです。

 

あなたは壊れていく自分を感じながら、"普通" を求めました。普通に朝起きて、普通に仕事をして、普通にごはんを食べて、普通に夜眠る生活を望みました。それができなくなっていく自分が怖くてたまらなかったんでしょう。

 

でも、少し考えてほしいのです。あなたは、その "普通” を続ける中で、"普通" を失ったのです。このチグハグに、あなたが守りたかった "普通" って、いったい何だったの?と思うときがあります。本当に守りたかったものは、もしかするともっと奥に眠っていたのかもしれません。

 

さっきも書いたのだけど、わたしは今、暇です。暇という余白の中で、ようやくあなたと向き合いたいと思いました。

 

そして今、あなたが渇望した "普通" とは、少しちがう普通の中でわたしは生きています。

 

わたしが、わたしをわたしと呼び、あなたをあなたと呼ぶのは、なにかそこに違いがあると思っているからかもしれません。違うとすれば、そういうところなのかもしれないです。

 

あれから、たくさん泣いて、たくさん苦しんで、たくさん休んで、そして、頑張ることと我慢することのちがいを学びました。

 

つらいことを証明することをやめました。わたしがつらかったら、わたしはつらいんです。だから泣きます。その代わり、誰かに「だめだ〜」と言うようになりました。

 

自分をすきになろうと藻掻くこともやめました。すきになろうとするほど、わたしは窮屈になります。それより、必要じゃないのに捨てられなかったものを捨てました。そしたらすこしだけ余白ができて、自分の気持ちやすきなものが少しずつ見えるようになりました。

 

わたしがわたしの教師になる機会もすこし減ったように思います。わたしから浮かんだ感情に、「相手にも言い分があるんだから」「こう捉えると理解できるでしょ」と頭ごなしに説明して、お利口にさせることが得意すぎたのかもしれません。最近は、わたしの感情は、すこし自由になりました。

 

あなたの言う「普通に生きたい」って、本当は「安心したい」って意味だったのかな。わからないけど、もしそこに近い意味だとしたら、あなたが守っていた "普通" とは形はちがうけど、目的は果たしているかもしれません。

 

人間って、ロボットじゃないんです。だから喜怒哀楽があって、笑う日もあれば、泣いたり怒ったりする日もあります。みんなほぼ同じ形をしているけど、人によって出来ることと出来ないこともちがいます。それでいいんだと思います。

 

わたし、こんな風に考えるようになりました。でも、これも、あなたが苦しまなければ、壊れるほど頑張らなければ、気づかなかったことかもしれません。決して、苦しい経験をしてよかったとは思わないけど、それでもあなたのおかげで得たことだってあるんです。人生は続くものだなぁと感じるわけです。

 

今のあなたが読んでも届かないかもしれないけど、あなたはあなたが思っている以上に頑張っているし、あなたが思っているほどに孤独じゃないです。そして無益でも、無価値でもありません。

 

だから、身勝手に、わたしはあなたに生きていてほしいと思います。

 

 

竹口和香

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