障害を公表するメリットとデメリット #NHK障害福祉賞 記録③

 

「障害」「病気」「コンプレックス」苦しみや悩みを公表することは、きっと誰もが怖いです。

 

わたしもずっとずっと怖かった。作品を書く1年前まではわたしの摂食障害を知る人は片手に及びませんでした。

 

それぐらい、障害を人に伝えることは当事者にとって重すぎる。 

今回は、障害を公表するメリットとデメリットについて感じたことを書いてみます。

 

 

障害を公表するメリット

まとめてしまうと、わたしは摂食障害を公表してよかったと思っています。

 

メリット①:障害で一番つらい●●を乗り越えられる

障害に関わらず、何かしらの負い目を感じている人にとって、一番こわいものは、孤独だと思います。 

 

受け入れられない。理解されない。誤解をされる。差別を受ける。「甘え」「変な人」「メンヘラ」で片付けられる。 だから、自分のことを公表するのはとてつもなく怖い。

 

でも、きっと一番つらいのは、障害と独りで向き合うこと。

  

丁寧に、自分の言葉で、自分のこと、出来ること、出来ないことの話をすると、きっと、ちゃんと、誰かが理解を示してくれます。 障害を自分で独り占めしないって、とても大切。

 

メリット②:自分で自分を許せるようになる

自分のことを口にすることって、同時に自分を認めてあげられることだなぁと思います。

 

私は、ずっと、「こんな経験を持っている私は恥ずかしい」と自分自信を否定し続けていました。

 

でも、勇気を持って公表をすると、当時の自分を、今もまだ弱い自分を、許せる感覚になりました。

 

隠して、否定して、自分の中で必要以上に重い問題として抱えてしまうより、外に出すことで、自分を認めて楽になる。自分自身を許せるって、こんなにも気持ちがいい。

 

 

メリット③:誰かを救える。同時に自分が救われる

障害を持つ人の言葉は、同じ境遇の人に大きなインパクトを与えます。

今苦しんでいる人はお医者さんの言葉よりも、障害のガイドブックよりも、同じ障害の当事者の声を求めています。

 

私は当時ネットを調べて、その暗い情報の多さに、自分の未来に希望が持てなくなりました。

 

だから今こうして発信をし続けています。それが、誰かのためになることで、同時にその「ありがとう」が私の生きる力になります。

 

障害当事者が発信することは、当事者が心配するよりも何倍も何十倍も、価値があることです。

 

障害を公表するデメリット

では、デメリットってどんなものでしょう?

 

デメリット①:万人に理解されることはない

もちろん、公表したからって、誰しもが理解を示してくれるわけではありません。

 

それは当事者が一番よく知っていることだと思います。これを忘れると、自分が辛くなってしまいます。

 

私もこうして発信している裏で、後ろ指を指されたり、白い目で見られたり、一部では、そんなことが起きているはず。

 

でも、1人の見方がいれば、5人の敵はおかまいなしです。そう考えられるようになったのは、自分を認めて、誰かを助けて、誰かが一緒にいてくれるから。

 

デメリット②:障害が自分の肩書きになる

これを自分で受け入れられるかは、すごく重要。

 

「摂食障害だった和香ちゃん」

「過食嘔吐をしていた和香ちゃん」

 

わたしは、このフレーズを受け入れるに、結構パワーが必要でした。

 

良くも悪くも、色んな人に障害を知られるので障害が自分の名前と同じくらい大きなものになることもある。

 

だけど、どんな肩書きでもわたしはわたし。公表以前と何も価値が変わることはないんです。自分を肯定する一歩前進です。

 

デメリット③:ときに自分の闇に溺れる

これ、私の中で結構あるあるなんですが、自分の言葉や闇に溺れることがあります。笑

 

ずっと隠して否定してきたものを自分の言葉で公表し、発信し続けることは、今まで目を背けていた部分と向き合い続けることです。

 

それなりに、客観視が出来る状態でないと難しいです。最近では、休むことも仕事だと思って少しでも「ん?」と思うことがあれば、全力をかけて休むようにしています。

 

ちょっとずつ、自分の事を外から見つめてそのとき自分に必要な行動をとること。

 

まとめ

つらつらと書きましたが、冒頭にお伝えした通り、私は摂食障害を公表してよかったです

 

色んなことを学び、

色んな人に支えられ、

色んな人に言葉を届ける過程で、私自身も救われています。

 

公表する前よりも、心が穏やかで、軽くなったのも事実です。

 

ただ、もちろん、障害を公表することにデメリットもあります。パワーも使うことです。

 

今の自分の状態で、誰に、どこまでを伝えたいのか。それが考えられる方は、もう一歩踏み出しています。

 

大丈夫。この世で誰もが独りじゃない。

 

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竹口 和香