ことばを吐く

摂食障害の知識と心の言語化を届けたい

《イベントレポ》「摂食障害 理解と回復のために」上映会+フリートーク会 #勝手に摂食障害day

 

「結局摂食障害の情報ってどれを信じたらいいの・・?」「コロナ自粛の中ですこしでも安心できる時間がほしい・・!!」

 

4月29日(水)オンラインツールZOOMを使って行ったイベントでは、そんな声にすこしでも寄り添えるようにと摂食障害に関するDVD上映会とトーク会を行いました。

 

 

イベントについて

DVD「摂食障害理解と回復のために」上映+トークイベント。題して #勝手に摂食障害day。(イベント直前にハッシュタグ変えたのは内緒)

 

こんな時だからこそ、苦しい時間を「摂食障害を知って安心できる時間」に。

誤解から自分を責めてしまっている人へ。自分の症状を言語化できずに一人で抱えてしまっている人へ。毎日が症状と向き合って疲れちゃっている人へ。届けられればなぁと。

 

 

内容はこんな感じ。

  • DVD「摂食障害 理解と回復のために」上映
  • 竹口の経験へ、質問コーナー
  • ゲストを招いてトークショー

 

最初は50人くらい参加いただけるかなぁと思ってましたが、なんとイベント3日前に定員100名の申込みとなり大規模イベントに・・👀!

 

ゲストにはなんと、みせすさんろぺさんが💓ドキドキしながらお誘いしたところ、快く賛同くださって、当日はもちろん準備中も助けていただきました。本当にありがとうございました!

 

DVD「摂食障害 理解と回復のために」とは

当日 上映したDVDは、NHK厚生文化事業団で作成されている福祉DVDのひとつ、「摂食障害 理解と回復のために」です。

日本摂食障害協会の鈴木先生や小原先生より、摂食障害の正しい医学知識や症状との関わり方などをお話ししています。わたしは第3巻で経験者として、発症から回復までのお話をさせていただいていました。

 

第1巻 摂食障害かなと思ったら(約53分)
第2巻 家族・支援者の皆さんへ(約59分)
第3巻 経験者に聞く 回復までの道のり(約1時間30分)

 

鈴木先生の言葉が強くあたたかく大好きです。

摂食障害は主に若い女性のありふれた病気となり、生きづらい時代を映す病気です。1980年代から増えた比較的新しい病気なので、まだ正確な情報は行き届いておらず「どんな病気なのか」「家族や周囲の人は何をすればいいのか」など疑問だらけで、当事者も病気だと気付かないで苦しんでいることもあります。このDVDは当事者、周囲の支援者への情報提供、経験者の言葉、という3巻構成です。やさしく作成されています。DVDで摂食障害を理解して、当事者の方は自分の病気を客観的に捉え、周囲の方は苦しんでいる当事者に適切な支援とあたたかなエールを送って欲しいと思います。

 https://www.jiji.com/jc/article?k=000000014.000051845&g=prt

 

※現在(2020年5月3日時点)は貸し出し開始未定の状態です。自粛解除後は以下から貸出の申込が可能です。現在は一部映像のみ閲覧可能、解説冊子のデータ版のDLが可能です🌸

www.npwo.or.jp

 

いざ当日!初摂食障害オンラインイベント🌸

さて当日、100名の事前申込がうれしくもプレッシャーで胃が狂いそうになりましたが笑、いざ始まるとあたたかい参加者さんの雰囲気に救われました。

 

さっそく当日の内容についてレポです🐱

 専門医に聞く、摂食障害とは?

当日はDVDから数チャプターを抜粋して、ZOOMを通して上映☺️まだまだ摂食障害の専門医の方が少ない日本では、ほんとうに貴重な情報ばかりでした。

  • 原因は複合的で「遺伝素因」「考え方やストレス対処法や性格」「文化社会的要因」が複雑に絡み合っている
  • 回復の過程では、摂食障害以外のコーピングスキルを増やすことが重要

※コーピングスキル:ストレスを適切に対処する力

 

「摂食障害をおばけに例える」という話は、症状を周囲に伝えるときの表現としてとても有益なものだったんじゃないかな。

 

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  • 摂食障害の症状と自分を分けてとらえる
  • 症状は「オバケ」。オバケをみんなで管理することが大切

 

 

摂食障害って病名や偏ったイメージが一人歩きしてしまっていて、その誤解や偏見は言葉や態度になり当事者を大きく傷つけるものになっています。

 

「摂食障害は意思の弱さや甘えじゃない」「母親のせいでもない」という言葉を専門医の方から聞けるというのは大きな安心につながったよね。

 

また、「嘔吐をしてしまったときの対処法」や「認知行動療法の効果」などはわたしも知らなかった情報です。

  • 過食後は真水で30回以上口をゆすぎ、研磨剤の入っていない歯磨き粉を使って歯を磨くこと
  • 認知行動療法を受けた過食症患者さんの60%は完治もしくは大幅に症状が緩和したというデータがある

 

長期的なサプローチが必要な病だからこそ今できることや治療の希望を聞けることは今日より明日をちょっとだけ楽にできるヒントになったかもしれません。

 

経験者に聞く、発症から回復まで

わたしの摂食障害の経験をお話ししながら、当時の心情や人間関係について触れさせていただきました。

摂食障害の背景や症状は十人十色だけど、症状に対する罪の意識や自己肯定感の低さが影響する人間関係のあり方など共通する部分も多くあります。

 

イチ元当事者の話を聞くことで「苦しみを表す言葉が見つかった」や「自分だけじゃなかった」という気づきや安心になっているとうれしいです。

 

うんうん。

 

摂食障害の症状が苦しいのは言うまでもないですが、症状や症状に対する罪の意識が偏った自己評価や自己犠牲的な人間関係に複雑に絡み合うことで生活、いや人生が崩れていく病だと、わたしは思っています。

 

その苦しさを言語化するヒントになっていればうれしいです。

 

経験者によるトークショー

最後にゲストのみせすさん、ろぺさんをお呼びして3人でトークショー🌸

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みせすさん(中央)、ろぺさん(右)

 

①コロナ×摂食障害

②それぞれの回復

③カミングアウトはどうやって?

④わたしにとって摂食障害とは

 

4つのテーマに沿ってゆる〜くお話し。チャットで参加者みなさんにも参加いただきながらお話しができてやさしい気持ちになれました。

 

このコロナウィルス自粛期間の中、”症状として”買いだめに走ってしまうことの罪悪感や、食事をめぐって家族との不和が加速したこと、必死に家族にバレないよう症状と戦っていること、たくさんの声を聞けました。

多くの方はその苦しさを誰にも話せずいつ終わるか分からない自粛期間を耐えられていました。

 

3名で話しているとこんなポイントが出てきました。

  • ニュースやネット情報など、マイナス感情になる情報を遮断する
  • 自分の意思でとめられない事(症状)の場合、買いものや外出について自責しない

 

ほかにも、同じテーマで複数の経験者が話しましたが、より摂食障害の多様性が感じやすくて「今の自分にフィットする考え方や言葉」を見つけやすいですね。

 

色んな経験や価値観のちがいがある中で、この3人のトークで共通していたのは、摂食障害以外の自分を見つけることと人と繋がること。

DVDでもあったように摂食障害以外のコーピングの選択肢をもつことが、長期的に摂食障害を手放せることにつながるということですね🐱

 

摂食障害(オバケ)と戦うのじゃなく、摂食障害以外の自分を見つけて育ててあげるということがオバケ退治に繋がっていくのかなと思います。

 

そんなに簡単なことでないけれど、どっちがいい?に「どっちでもいい」じゃなく「こっちかな」と答えてみる、どこ行きたい?という質問に「なんでもいい」じゃなく「ここ行ってみたい」と言ってみる。

日常の小さな意思決定が自分を見つけるヒントになるんじゃないかとわたしは思っています。

 

ふりかえり

4時間の長時間オンラインイベント、参加いただいた方はほんとうにお疲れ様でした。

どうか、この4時間を自分のために使ってあげたこと、その時の感情を大切にしていただけるとうれしいです。

 

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みんなで集合写真🌸

 

他の人と共有するのが難しいような経験を話してもらえて、そう考えればよかったのか、これからはこんなふうに捉えていきたい、という気づきがありました。ありがとうございました!

(参加者さんアンケートより)

 

当事者にとっては自分の症状や気持ちを言語化するヒントに、非当事者にとっては摂食障害という病気を理解する手助けになるような内容だったと思います。これからもっとたくさんの人に見てもらいたいと思いました。

(参加者アンケートより)

 

当事者のお話が聞ける機会は少ないので、とても勉強になりました。 お三方とも、ご自分のことを分かりやすくお話くださいました。拒食過食の症状があるなしではなく、ありのままの自分を認めそれを語ることができることが回復、ということなのだろうと思いました。 家族は目に見える症状にとらわれてしまい、怒ったり悲しんだりしてしまうのですが、一番大変なのは本人だということを忘れないようにしたいです。 私自身が家族を受け入れてあげられる気持ちの余裕をもっていたいです。

(参加者アンケートより)

 

 

日常を劇的に変えることはできませんが、このイベントを通じて今日より明日が少しでも楽になれる「情報」や「言葉」をお届けできていることを願っています。皆さんのツイッターやアンケートでの言葉はとても嬉しく、大切に受け取らせていただきました。

 

一方で、改めて摂食障害の正しい情報と「苦しい」の言語化がまだまだ足りていないことも身にしみて感じています。 一回きりで終わらず、これからもそういった機会を創っていくこと、言語化で摂食障害をとりまく環境を少しずつ変えられる人間でありたいです。

 

参加者のみなさん、ゲストのお二方、ご協力機関様、改めてありがとうございました💛

 

 

 

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 竹口和香